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料理酒とお酒の違いってなに? 料理上手になる使い方とお奨め料理酒4選

料理酒とお酒の違いってなに? 料理上手になる使い方とお奨め料理酒4選

料理酒、って本当にいるの? 料理をはじめたばかりの人は誰しも思う疑問だと思います。
それに、「日本酒なら簡単に買えるけど、料理酒ってきくと何か難しそう…。」と考える方も多いのではないでしょうか。

今回、皆さんにはこの記事を読んでいただいて、そのような疑問をなかったことにしてしまいましょう。

 

日本酒と料理酒の違い

 

一所懸命、違いを考えている皆さん、ごめんなさい。先に謝っておきます。
一言、いわせてください。

日本酒も、ワインも、シェリー酒だって、焼酎だって、料理に使えば全部、「料理酒」なんですよ!

日本酒と料理酒の違いですか? そんなもん、ないですよ!
いいですか。「料理酒は塩入りで~す!添加物入りで~す!」と書いているライフハックサイトあるでしょう?
あれ、嘘ですから。間違ってますから。

 

“料理酒”ってただの、使い方を示した商品なんですよ。
スポンジに、食器用とかお風呂用とか頑固汚れ用とか書かれて売られているのと何ら変わらないんです。

だから、「ワインも料理酒なの?」と言われたら、「えぇ、そうですよ。お酒ですもん。」と答えるしかありません。
アイルランドの、「アイリッシュシチュー」というのにはギネスビールを使っているのが通例ですが、それも、ビールを料理酒として使用した料理です。

とはいえ。おふろ掃除に食器用スポンジを使ってもいいけど、あんまりうまくいかない。
じゃあ、あのがんこ汚れ用のスポンジをつかえばいいのか、とか自分で編み出すのもいいですが、そこはやっぱり「ふろ掃除用」と最初から書いてあるスポンジを買って使うのが、最短距離ですよね。

その最短距離で最も適したものを手に入れる感覚を、お酒に求めるならどうすればいいの?・・・という話が今回のコラムです。

 

どうして“料理酒”と書かれた商品が存在するの?

 

根本的に、料理酒と書かれている製品には2種類あって、

❖ 料理酒向きになるように、製造が工夫されたお酒
❖ 食品として販売できるように加工を施されたお酒

の2つがあります。1つ目については、オススメのところで詳しく紹介します。

ラム酒が代表的な例なのですが、品目に「製菓用」と書けば、いくら飲むのに適している商品でもラム酒は酒税の減免が発生します。

 

これと同じような仕組みで、「料理用」であると証明されるようにお酒を作り変えれば、商品の品目が「酒」ではなくて、「食品」に切り替わる方法があります。それが、
【塩を入れる】です。
酒として製造した上で、アルコール度数に対して1.5%の塩を入れると、食品分類として市場に出回らせることができます。
それが食品表示法に基づく品目では、『発酵調味料』とされます。それが、百円均一などでもみられる、「料理酒」です。

これは、清酒以外にもワインでも使われる手法です。
この“塩入り”のお酒で分類を“発酵調味料”に変えると、【売り場】と【コスト】の面で有利にできます。

 

塩入り料理酒のメリットその1:酒に塩を入れると広がる、売り場】

まず、食品分類にすると、酒販免許がないお店でも、塩が入っているとはいえ、料理酒を取り扱うことができます。
極端にいうなら、雑貨屋などでも取り扱うことができ、非常に販売しやすいです。

 

塩入り料理酒のメリットその2:工業的用途で、コストや工数を削減する】

酒が必要とされる場面のひとつに、“食品工業”というのがあります。
かまぼこやちくわといった魚介の練り物、めんつゆやレトルト食品など、『酒+塩』の組み合わせが元々必要とされているものだと、塩を加える手間を省く、つまり製品の製造工数を削減する意味と、食品扱いにすることで酒税をかからないようになると、製品の製造コストを削減することができます。
何より、あらかじめ塩をいれておくことで、分量の配合ミスのヒヤリハットにもつながります。
また、酒として販売するには、入れられるものが決まっていますが、食品として売る分には、酒の規程がないので添加物などを自由に入れることもできます。
つまり、工業的な用途では非常に重宝するのが、食品分類で『発酵調味料』といわれる、塩入りの酒です。

 

このように、塩を入れて、酒を酒ではなく食品として流通させることで、
●業務用として、コスト削減ができる
●販売面として、販売の手軽で売り場が広がる
ことが可能になり、重宝されています。

でも、これは一般消費者が使う分には結局あまり関係ない観点です。
強いて言うなら、“ちょっと安い”くらいです。でも、安いからには問題がつきものです。

 

塩が入った料理酒の問題点

 

塩が入った料理酒を料理に使うことは、基本的にオススメしません!
健康のために塩をたくさんとるのはよくないから使用を避けるように…と書いているサイトはいくつもありますが、それよりもっと大事なのが、

【塩入り料理酒は、あなたから“料理上手”という自信を奪ってしまう!】
ということです。

今、料理講師として働いている筆者ですら、そうでした。
どうして私はこんなに料理が下手なんだろう?と日々思い悩んでいたのに、酒や本みりんをはじめとする調味料を変えたら、一変しました。

理由は簡単です。

「その塩入りのお酒、大さじ1杯でどれくらいの塩が入っているか、目で確認できますか?」

みなさん、できないと思います。想像するのも難しいし、計算すればわかるけど、そんなことをしたら料理が尚更嫌いになってしまいかねません。

 

目で見えない、ということは、自分がどれくらいの塩を今つくっている料理に入れたのかがわからなくなります。
和食の基本は比率です。本みりん1:酒1:醤油1を出汁で薄めるだけ。
これ以上余計なものは要らないはずなのに、塩入り料理酒を使うとこのバランスが崩れておいしくなくなります。

それでは、塩が入ったお酒の料理酒を避けた場合に、どのようなお酒を料理酒として選べばいいのでしょうか。

 

料理初心者だからこそ、そして皆に知ってほしい、料理酒の選び方

 

塩の入っていない、本来の清酒を料理酒とする選び方は次の2種類あります。

 

【料理酒の選び方・その1】 料理酒と書いてある商品を選ぶ


塩入りの料理酒との比較でよく出てくるのが、この、「料理酒」と書いてある清酒です。
根本的な造り方は、普通の清酒と変わりありません。清酒蔵が料理酒向けに工夫して造ったそのままでも飲みたい唸るほど美味しいお酒です。

これについては、次のオススメ欄でオススメを書きます。
料亭の味を再現したり、調理する素材自体に強い旨みがあったりする場合は、こちらのタイプを使用する方がオススメです。

ただ、みなさん、酒屋の店頭に置かれている清酒とはどのように違うのか、非常に気になると思います。
少しお酒の詳しい話になりますが、その清酒を製造元の酒蔵が「料理酒」と謳っている理由になっている特徴の典型例をいくつかあげたいと思います。

 ●精米歩合が高い、飯米を使っている

精米歩合、というのは、どれくらい削ったお米を使ってお酒にしたか、というもので、数値が高いほど、玄米に近くなります。
一般的に値段が高くてすっきり華やかでおいしいとされる大吟醸は50%以下と定義されていて、45%となっているものが多くあります。純米酒、でも一般的に60%ほどです。

一方、料理酒では、6590%です。一般的な食事で食べる白米の精米よりもう少し削った程度です。
これは、精米歩合が高いお酒は基本的に骨太なお酒、つまり濃い味のお酒になるためです。飲むお酒には邪魔とされる“雑味”が料理酒では色々な食材と合わさることで、旨味として活躍してくれたり、食材の味を引き立ててくれたりするからです。

料理酒が他の清酒より少し安く売られていることがあるのも、これが理由です。
45%まで削ると、清酒に1㎏のお米が450gしか原料で使えないところを、80%まで削る場合は、1㎏のお米が800g原料で使える、つまりは元のお米が同じ量でも倍近くのお酒ができます。

また、同じような理由で、飯米、つまり普通に皆さんが白ご飯として食べている品種と同じお米を使って醸された清酒も料理酒と謳われていることがあります。
これは、通常の高いお酒を造るときは、精米歩合を低くする必要があると、それに向いたお米の品種、つまり酒米を使用する必要がありますが、料理酒の場合、その必要がないうえに、もともと白ご飯と合わせる食事を作るために造るので、ペアリングの意味でも飯米が重宝されることも多々あります。

ちなみに、皆さんが白ご飯として食べておられるお米は、精米歩合が92%前後と言われています。
そこから5分づきは約95%7分づきは約97%となります。
つまり、〇分づきと書かれてる場合、精米歩合90%以上のパーセントの1の位がその何分、に該当するようになっています。

一般的な飲むためのお酒がかなりお米が磨かれて造られているのがわかりますね。

 ●生酛・山廃のお酒

一般的に出回っているお酒は、“速譲”と呼ばれるお酒が大半です。
速醸のお酒でも様々な味わいはありますが、その速醸のお酒に比べて、ヨーグルトのような酸味があり、骨太とされるのが、生酛と山廃という造りの清酒です。

この造りは非常に手の込んだ造りで、どんな食材にも負けない旨みがあるものが多いです。
なので、旨みの強い食材でも負けない酒質です。特に、貝料理との相性が良いことが多く、

 ●熟成してある

一時期話題になった、秋田酒造組合の、「日本酒に賞味期限はありません」のポスター。

 

この通り、日本酒はワインと同じように、何年も保管できるお酒です。新酒のフレッシュ感もいいですが、年月を重ねて味わいが深くなっていくのもまたオツです。

この、年月を重ねて出てくる味わいを料理に活かそう、と料理酒として販売されているものがあります。
精米歩合が通常の純米酒と変わらなくても、熟成によって増した旨みが料理で良い役割を果たしてくれます。

3年以上の熟成が見受けられます。その代表的な商品は、福光屋のあじ満です。

 ●掛け米に、もち米を使っている

もち米は、とても粘りが強いお米ですが、それは、アミロペクチンという粘りを出すでんぷんのみで成分が構成されているためです。
この、アミロペクチンは、さらさらしたお米に含まれるアミロースより構造がほどけやすく、より効率的に麹菌の酵素で甘さの元になりやすいです。

アミロペクチンの構造図 アミロースの構造図

そのため、麹菌の酵素だけになった状態の酒のもろみに、最後の仕上げ(四段の掛け米)としてもち米を入れると、甘さがよりお酒に残るようになり、料理に使いやすくなります。

料理酒として、甘い、というのは、特に東北地方などあまり本みりんや砂糖を使わない食文化のところでは非常に重宝される特徴です。

 

【料理酒の選び方・その2】 地元の安価なお酒を料理酒として使う。

2つ目は、地元のお酒や親類が愛飲しているお酒で一番安価なものを料理酒として使う、というものです。
料理酒選びとして肝心なのは、こちらです。私が最も推す選び方です。

私が特定の商品を推しても、食文化は全国千差万別。簡単に一個人のオススメがそれぞれの人が必要とする料理酒にフィットさせることなんて不可能です。
何百年も続く蔵元が当たり前の日本酒業界。酒と地元の料理の相性は鉄壁です。

地元のお酒の中で、先ほどの料理酒と書いてある清酒の特徴をどれか一つでももっているものはありませんか。
純米酒であろうと、本醸造であろうとかまいません。

 

本気で勧める本格料理酒4選

 

先ほど言った通り、本音中の本音は、『地元のお酒を買って、料理酒にしてください』が本音です。
でも、それでも他を買ってみたいという方に、4つだけオススメをお伝えしますね。

※画像をクリックすると、善波オンラインショップの商品ページへリンクします。

 

~気が狂っているんじゃないかと思う製法~
■料理酒しか造っていない、大木代吉本店 『こんにちは料理酒』

最高級料理酒といえば、で必ず名前が挙がるといっても過言ではないのが、この、こんにちは料理酒。工程のミスから生まれた、山廃四段仕込みの酒は、とにかく旨味がぎゅっと詰まっていて、骨太な味が魅力です。「あぁ、酒って味〇素なんだ」と思わされる料理酒です。
この料理酒でつくる貝の酒蒸しは至高の逸品。そこからさらに貝ラーメンなどにするのも最高です。

 

~もち米を使って造られた~
白扇酒造 福来純 純米料理酒

本みりんを造っている蔵元の清酒です。もち米を掛け米(麹として入れるのではなく、炊いた状態で材料としていれる米)として入れたお酒です。
もち米を使うことで、より甘みがある清酒に仕上がります。そのきめ細やかな甘みが、料理のベースメイクになる料理酒です。

 

~万能パック酒~
福光屋 福正宗 金色のしずく

酒として美味しいか、と言われると熱燗と出汁割り以外ではそこまで際立たないかもしれません。
ただ、精米歩合が高く、どんな食材にも、どんな出汁にも、どんな組み合わせでも、この酒さえ使えば、全力で包容してくれて、全力で味をリカバリーしてくれる万能な酒です。

 

~柔らかなフォントに反して、超濃くて甘い料理酒~
仁井田本家 旬味

精米歩合が90%! お酒としては米をほぼ削っていないといっていいほど。
とはいえ、90%は通常の白ご飯の精米歩合と同じなので、臭みなどはありません。
それどころかどこか青いフレッシュ感がある香りを持ちながら、甘酒を彷彿とさせるような甘みと酸味を持っているお酒です。
これを使うと、甘さ控えめでよい料理では本みりんの使用量が半減してしまうほど。
甘さ嫌いな方は、本みりんの代わりとして、また、甘いお酒が好きな方はぜひそのまま飲んで、楽しんでいただけると思います。

 

次回の料理酒に関する記事では、料理酒の典型的な使い方について解説したいと思います。
アルコールが残ってしまいそうで怖い! 料理酒にはどんな効果があるの? など、実際にレシピを交えつつ、料理が楽しくなる内容をお伝え出来たら、と思います。

 

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